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拝啓
皆様、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。

東日本大震災から早、5年の歳月が経過致しました。
被災当事者の思いは様々ではございますが、敢えて申し上げるなら、当事者でなければこの復興への苦しみは分かり合えるものではない、という事です。
元来、一般的な企業に比べて所得の低い農産業界に於いて、失ったものを復興させ事業を再開させる事は並大抵のものではありませんが、それでも多くの人達は逆境を見返すべく、必死に努力しているのが現実です。
我が国は自給率が低い割には、日本全国に耕作放棄地が散乱しています。しかもこの膨大な放棄面積は手付かずのまま、借り手が借りにくい極めて複雑な構造になっています。
これも震災という被害経験から、他の地域に営農再開を求めていった結果、我が国の制度から学んだ現実であり、いかに農業事業の意欲があっても、その意欲をそぐような現実が存在している事もまた事実で、政府与党が見た目に潤沢な復興予算を設けても、知恵もなく生活の不安と戦い続ける生産者には、補助金、助成金といった制度は使いにくく、また現実的ではありませんでした。
金銭的にも生活にも余裕のある方々が、その日食べていくのに苦労している産業の渦中を変え得る政治や制度改革といった効果的な施策を、本当に出来るのでしょうか?一億総活躍社会等、遥か程遠い現実です。
人が元気に働くには、その労働意欲を低下させるような制度を設けない事、それが分からない諸兄が軽々しく語ってはいけません。

さて、TPPが始まります。多くの生産者は期待と不安で賛否両論ですが、我々農業就労者を代表する農協は断固反対を掲げています。このTPPが10年20年後の農業の未来をどのようにしてくれるのか?その答えを今は誰も明確に言えませんが、それでも農家は少しでも品質の良いものを目指し、皆さんの食卓に美味しく安心して召し上がれるものを届けるべく、創意工夫を繰り返している事をどうか忘れずに、日本の優れた生産能力に今後も注目して頂けたら幸いです。
人により背景は様々ですが、私達はこれからも頑張るしかありません。そして生産者は皆仲間です。
世界を圧倒し、リードするものづくりを目指し、努力して参りましょう。

 

一般社団法人 東北農産復興・経済連携事業協会
会長 小原田良一